近隣クレーム(光害・ちらつき)を防ぐためのLEDビジョン設定
導入の前に知っておく“プロの配慮”
LEDビジョンは高い集客効果を持つ一方で、明るさや点滅方法によっては近隣の方や歩行者・ドライバーからのクレーム(光害・ちらつき)につながることがあります。
特に店舗が住宅街や道路に近い場合、「明るすぎて眩しい」「チカチカして不快」といった声は、小さな火種でも店舗運営に悪影響を与えます。
しかし、実際には 設定ひとつでほとんどの問題は未然に防げます。
本記事では、LEDビジョンのプロとして、トラブルを避けるために必ず行うべき“光害対策”をわかりやすく解説します。
1.明るさ(輝度)設定は「最大値の30〜80%」が基本
最近の屋外LEDビジョンは5,000cd/㎡以上の高輝度が一般的ですが、実際の運用で100%明るさを使う場面はほとんどありません。
● 推奨設定の目安
- 日中:70〜80%(約4,000cd/㎡)
- 夕方:40〜60%(約2,500cd/㎡)
- 夜間:20〜40%(約1,500cd/㎡)
特に 周囲が暗い「夜間の輝度」 は、クレームの多くを占めるポイントです。
▶ 自動調光センサー(明るさセンサー)を付けるのが効果的。
天気・時間帯に応じて輝度を調整してくれるため、
最も光害を防ぐ技術として定番になっています。
LEDビジョン専門業者のプロテックは自動調光センサーの設置にも対応しています。詳しくはお問い合わせください。
2. “高コントラスト”より“やさしい色味”を意識する
明るさと同じくらい重要なのが 色味(色温度・コントラスト)設定。
強い白色やコントラスト最大の映像は暗い夜では“光が暴れる印象”を与え、眩しさにつながります。
● クレームを防ぐ色設定のポイント
- 白背景は避け、黒ベースに文字が最も安全
- コントラストは最大から20〜30%落とす
- 文字色は“暖色系(黄・橙・赤系)”を使うと眩しさが少ない
映像コンテンツを制作する際にも、「夜間は黒背景+落ち着いた色」を意識すると光害は格段に減ります。
3. ちらつきを防ぐ「フレームレート」と「リフレッシュレート」
近隣からのクレームで意外と多いのが “チカチカして見える” というもの。
● ちらつきの主な原因
- リフレッシュレートが低い(1,000Hz以下)
- 撮影されたときに横線が入る(カメラ干渉)
- 動画のフレームレートが合っていない
● 推奨されるプロ仕様
- リフレッシュレート:3,840Hz 以上
- フレームレート:30fps or 60fps
リフレッシュレートが高いLEDパネルは、見た目の安定性が大きく向上します。住民がスマホで撮影してSNS投稿されることもあるため、撮影してもチラつかないパネルは現代では必須です。
4. 刺激の強い「点滅・フラッシュ」は避ける
道路沿いや住宅街で最もトラブルになりやすいのが激しい点滅やフラッシュ演出です。
避けるべき演出
- 1秒以下の高速点滅
- 全画面の急な白フラッシュ
- 点滅を繰り返すテキスト(例:「激安!!」の点滅など)
法律上は明確な規制は少ないですが、多くの自治体では“景観条例”で推奨されない表現とされています。
安全な表現
- ゆっくりしたフェードイン/アウト
- 画面全体の色変化ではなく“部分的なアニメーション”
- 写真や動画を静かに切り替えるスライド
「動く広告は目立つ=強い点滅を使う」と思われがちですが、実際に効果が高いのは“ゆっくり動く映像”です。視認性も高く、クレームにもつながりにくいので一石二鳥です。
5. 放射方向の調整:住宅方向を避ける角度にする
LEDビジョンは“正面方向に最も光を放つ”特性があります。そのため、画面の角度を数度ズラすだけで眩しさが大幅に軽減されます。角度調整は施工後でも比較的可能な場合も多く、光害対策として非常に有効です。
6. 夜間は「省エネモード」を使うのがベスト
最近のコントローラーには省エネモードや夜間モードが搭載されています。
- 輝度制限
- 色味を落とす
- 自動消灯スケジューラー
これらを組み合わせると、電気代の節約+光害対策の両方を実現できます。
● 推奨スケジュール例(住宅街の場合)
- 7:00〜17:00:60〜80%
- 17:00〜22:00:10〜30%
- 22:00〜7:00:消灯
自治体(東京都、京都市、奈良市など)の条例によっては22時以降は点灯禁止の地域もあるため、スケジューラー設定は必須です。
7. トラブル発生時の“誠意ある対応”が信頼を生む
万が一クレームが入った場合、最も大切なのは「即時の設定変更」です。
- まずは輝度を下げる
- 自動設定を確認する
- コンテンツを確認する
- 施工業者に連絡して現場確認を依頼する
クレーム対応がスムーズだと、逆に「誠実な業者」として信頼を得ることもあります。
まとめ:光害対策は“お客様のため”であり“近隣との調和”でもある
LEDビジョンは非常に効果的な広告手段ですが、そのメリットを最大限活かすには
「視認性」 × 「近隣への配慮」
この2つのバランスが欠かせません。
輝度・色味・演出・角度・スケジュール設定を正しく行えば、ほとんどの光害トラブルは避けられます。
プロとして最適な提案・設計を行うことで、店舗の集客力を高めながら、地域との共存を実現できます。