既存看板をLEDビジョン化する際の注意点
〜「そのまま置き換え」は危険?失敗しないための実務ポイント〜
近年、既存のアクリル看板・FF看板・インクジェット看板をLEDビジョンに置き換えたいというご相談が増えています。
動的な映像表現による訴求力アップや、コンテンツ変更の柔軟性は大きな魅力ですが、
「今の看板を外してLEDビジョンを付けるだけ」では済まないケースがほとんどです。
本記事では、施工業者の視点から
既存看板をLEDビジョン化する際に必ず確認すべき注意点を解説します。
1. 既存看板の「構造」はLEDに耐えられるか
まず最初に確認すべきなのが、現在の看板の構造・下地です。
チェックポイント
- 鉄骨・アルミフレームの強度は十分か
- 経年劣化(錆・腐食・歪み)はないか
- 看板面のサイズと本体規格は合うか
LEDビジョンは、一般的な看板と比べて
重量が増すケースが多く、荷重のかかり方も異なります。
特に、
- 10年以上前の看板
- 軽量設計の袖看板・壁付け看板
は、フレーム補強や作り替えが必要になることも少なくありません。
2. 電源容量・配線ルートの再確認は必須
既存看板からLEDビジョンへ変更する際、
電気関係の見直しはほぼ必須です。
よくある見落とし
- 電源容量が不足している
- ブレーカーが共用回路になっている
- 配線が屋外仕様ではない
LEDビジョンはサイズ・輝度にもよりますが、
想像以上に消費電力が大きくなる場合があります。
特に屋外高輝度モデルでは
「既存電源では動かない」
というケースも珍しくありません。
➡️ 専用回路の新設や分電盤工事が必要か
事前に必ず確認しましょう。
また、制御機材やスピーカー用のケーブルも必要となる場合があるので合わせて確認しましょう。
3. 明るさ(輝度)と「光害」への配慮
LEDビジョン最大のメリットである「明るさ」は、
同時に最大のリスクにもなります。
注意すべきポイント
- 周辺に住宅・マンションはあるか
- 夜間の輝度調整は可能か
- 自動調光センサーは搭載されているか
特に既存看板が「静的」だった場所では、
LED化により周辺環境とのトラブルが起きることも。
➡️
- 昼夜で輝度を切り替える
- コンテンツの色・動きを抑える
など、運用面まで含めた設計が重要です。
4. サイズ・ピッチ選定の落とし穴
「今の看板サイズに合わせてLEDを作る」
一見シンプルですが、ピッチ選定を誤ると失敗します。
よくある失敗例
- 近距離なのにピッチが粗すぎる
- 遠目から見るのに高精細すぎてコスト過剰
- 縦横比が合わず表示が歪む
LEDビジョンは
「見る距離」「設置高さ」「通行スピード」
によって最適なピッチが大きく変わります。
既存看板のサイズに引きずられず、
設置環境から逆算することが重要です。
5. 法規・条例・屋外広告物の確認
見落とされがちですが、非常に重要なポイントです。
確認すべき内容
- 屋外広告物条例(自治体ごとに異なる)
- デジタルサイネージに関する規制
- 明るさ・点灯時間・動画表現の制限
「看板はOKだったが、LEDビジョンはNG」
という自治体も実際に存在します。
➡️ 事前に行政・条例確認を行わないと、撤去指導のリスクがあります。
6. コンテンツ運用まで考えているか?
LEDビジョンは「設置して終わり」ではありません。
導入後によく聞く声
- 「何を流せばいいか分からない」
- 「更新作業が面倒で止まっている」
- 「結局、静止画ばかり使っている」
導入時点で、
- コンテンツ更新方法
- 運用担当者
- 更新頻度
まで整理しておくことで、
LEDビジョンの効果を最大化できます。
まとめ|LED化は「置き換え」ではなく「再設計」
既存看板のLEDビジョン化は、
❌ 単なる置き換え工事
⭕ 構造・電気・環境・運用まで含めた再設計
が成功のカギです。
適切に設計・施工されたLEDビジョンは、
看板の役割を「表示」から「集客装置」へ進化させます。
▶︎ LEDビジョン化のご相談は施工前が重要です
- 既存看板を活かせるか知りたい
- 費用感を事前に把握したい
- 条例面も含めて相談したい
といった段階からでも、ぜひご相談ください。