人通りの多い道沿いの建物や商業施設を中心に、特殊な形状をしたLEDビジョンを設置する機会が増えてきています。この記事では一般的な平面のLEDビジョンとの違いや構造をご紹介します。
特殊形状ビジョンとは
特殊形状ビジョンは、円や円柱、球体や立体的な形状のLEDビジョンを指します。
一般的な平面のLEDビジョンと比べると目を惹きやすく、印象にも残りやすいため、アイキャッチ的な役割を担うことも多いです。誤解を恐れずに言うと、LEDビジョンはどんな形状にも仕上げることができるため、現場の雰囲気やデザインにマッチしたデジタルディスプレイを実現できます。
特殊形状を実現するためのLEDパネルやフレーム構造
特殊な形状を実現するために、曲げたり切ったりできる、特殊加工が施されたLEDパネルが増えています。
テーパー仕様LEDパネル
パネル側面をテーパー加工することで、LEDパネル同士に角度をつけることが可能になりました。これまでは角度をつけようとすると、側面が干渉して、継ぎ目が目立ち不自然でした。テーパーがあることで、直角まで曲げても継ぎ目が目立たず自然なディスプレイを実現できるようになりました。
引用:Linsn LED
フレキシブルLEDパネル
LEDパネルの主材をシリコンにすることで、手で曲げることができるようになりました。より丸みを帯びたカーブ状のディスプレイを実現できます。
引用:Linsn LED
カット型LEDパネル
三角形や円形の完全オーダーメイドのLEDパネルです。パネルの向きを変えながら取り付けていくことで、さらに複雑な形状のディスプレイにも対応できます。
事例紹介
円柱ビジョン
構造
円柱状の鉄製架台を製作設置します。内部には安定器やコントローラーを取り付けます。
使うLEDパネルはテーパータイプやフレキシブルタイプです。背面にアクセスが難しい場合は、正面から脱着可能なLEDパネルを使用します。
事例(弊社施工)
キューブ型ビジョン
構造
角部はパネルの継ぎ目を小さくするために、テーパータイプのLEDを使用します。表示面は4面(正面、側面、底面)であることが多いですが、5面や3面など、現場に合わせた製作が可能です。内部が高温になりやすいため、十分な排熱構造が必要です。また、その見た目に反してそこそこ重いので、支持材の強度設計も重要になります。
事例(弊社施工)
L字型LEDビジョン
構造
角部にテーパータイプのLEDを使用することでL字型を実現できます。大型のビジョンの場合、直角ではなく、カーブ状に形成する場合があります。理由として、直角の場合、角が不自然に目立ち、特に肉眼3Dの映像効果が低くなってしまうからです。
事例(クロス新宿ビジョン)
引用元:新宿東口の猫【公式】
丸、三角、多角形型ビジョン
これらはパネル自体が丸や三角の形状になってあり、一般的なパネルと比べると高価になります。また、これらを組み合わせてさらに複雑な形状にすることも可能です。
事例(Sphere:ラスベガス)
引用元:James Dolan’s MSG Sphere had NASA test Vegas concert venue tech