「デジタルサイネージ」という言葉を耳にしたことがある方は多いかと思います。
しかし、実際に「デジタルサイネージ」というものはどのようなものを指すのか明確に答えられる方は少ないのではないでしょうか?
今回は「デジタルサイネージ」がどんなものを指すのか、また、特徴や用途、LEDビジョンや液晶ビジョンとの違いについてもご紹介します。
それでは、今回もお付き合いよろしくお願いします!
目次
デジタルサイネージとは
デジタルサイネージ(Digital Signage)とは液晶ディスプレイやLEDパネルなどの電子的な表示機器(以下ディスプレイと呼ぶ)を用いて、特定の人に向けて情報を発信するシステムのことを指します。
昔は駅や空港などでの発着情報を表示やスタジアムの大型ビジョンによく利用されていました。最近ではディスプレイの小型化、低価格化、IoT化(モノとインターネットがつながること)が急速に進み、商業施設や会社、工場など多くのロケーションで導入が進んでいます。
デジタルサイネージの仕組み
デジタルサイネージは任意のメディアを制御ソフトなどを用いてディスプレイに表示するものです。用途や現場に応じて表示内容の属性や通信方法が異なります。
表示内容属性の違い
・取込方式
あらかじめ画像や映像をディスプレイに取り込んでおき、指定の時間に表示するもの。商業施設のデジタルサイネージではこの方式を利用することが多いです。
・リアルタイム方式
PCやスマホの画面をリアルタイムでディスプレイに表示するもの。情報が頻繁に変動する、電車や飛行機の発着情報やスポーツイベントなどでよく利用されています。
通信方法の違い
・メモリデバイス方式
メディアを取り込んだUSBフラッシュメモリやSDカードを直接ディスプレイに差し込み、表示内容の差し替えを行います。
・ローカル方式
同じネットワークエリア内のデジタルサイネージをLANケーブルやWIFIを介して、PCやスマホからメディアを配信します。
・クラウド方式
距離的に離れたところから、クラウドを介して、PCやスマホからメディアを配信します。
デジタルサイネージの特性と活用
目に留まりやすい
デジタルサイネージは変化を伴った発光(簡単に言えば”表示内容が変わり続ける”)をするため、人の目に留まりやすいという特性を持っています。そのため、主に人が集まるロケーションで導入されています。
・人通りや交通量の多いところでは交通広告として
・駅や空港などの交通機関では発着情報の発信
・オフィスや工場では社内情報の共有
・店舗や商業施設では製品・サービスの案内
・見本市や展示会での情報発信
状況に応じた、リアルタイムな情報発信が可能
従来の紙媒体やチラシ、看板では表示内容の差し替えには、印刷作業や現場での交換作業など、時間やコストを要します。
一方でデジタルサイネージはデータさえあればネットを通じて差し替えができる為、短時間で済みます。その為、速報性のある情報などもシームレスに発信することが可能です。
他のデジタル設備との相性が良い
デジタルサイネージ本体はコンピュータで制御を行うため、他のデジタル設備との相性が良く、多くの業種で研究・開発が行われています。
・自動運転とデジタルサイネージによるナビゲーション
・顔認証システムと表示内容の差し替え
・ネット広告との連動
デジタルサイネージの種類
一概にデジタルサイネージといっても使用されるディスプレイは様々です。ここでは代表的なディスプレイをご紹介します。
液晶モニター
仕組みは家庭用のテレビと同じですが、衝撃から守る強化ガラスを使用したり、形状が正方形や丸など特殊であったりします。サイズが小さくても一定の解像度を確保できるため、一般的に屋内で使用されます。屋外でも使用できる防水で高輝度仕様のものも販売されています。
LEDビジョン
赤、青、緑の3色のLEDを利用して文字や図形を表示する媒体です。パチンコ店の大型ビジョンを想像してもらえると分かりやすいかと思います。輝度や防水防塵性能が高く、屋外でよく使用されています。最近では解像度の高い、精細LEDビジョンも急速に増加しています。
タブレット端末
タブレット端末をデジタルサイネージとして活用する場面も増えてきています。タクシー車内の広告や飲食店の注文機器などで活用されています。
反転フラップ式案内表示機(通称”パタパタ”)
上述のディスプレイとは毛色が変わりますが、駅や空港での発着情報の表示機器として使用されています。事前に準備しておいた内容にしか、差し替えはできませんが、消費電力が非常に少なく、運用コスト性能が高いと言えます。
まとめ
・デジタルサイネージとはディスプレイを使用して、特定の人に向け情報を発信するシステムの総称
・用途に応じて仕組みやディスプレイの種類が異なる
・表示内容に更新が簡単で、速報性に優れている